東京でも拡大!これからの「変異ウイルス」

最終更新: 4月22日


N501YやE484Kなどの変異ウイルスと、これから増え始める新しい変異ウイルスについて、今おさえておきたいポイントをご紹介します。




変異ウイルスって、いつから変異したの?


先ず、メディアで報道されている「N501Y」や「E484K」というのは、新型コロナウイルスの変異の一つで、「スパイクたんぱく質アミノ酸」が変化していることを意味しています。



例えば「N501Y」とは、スパイクたんぱく質の501番目のアミノ酸N(アスパラギン)がY(チロシン)に置き換わっているという意味になります。



新型コロナウイルスは、ウイルス自身が生き延びるために変異し続けています。ゲノム分析データベース「GISAID」を見てみると、2019年に発現した野生型SARS-CoV-2が人に感染して初めて変化が見られたのは「2020年2月13日、サウジアラビア」において、「D614G」という変異体が発見されています。



そしてこの「D614G」は、日本では2020年4月1日に確認されています。



「D614G」は2020年に猛威を振るってきたわけですが、新たな変異体「N501Y」が2020年10月27日にインドで発見され、「E484K」が2020年12月27日に南アフリカで発見されました。



変異ウイルス

・「D614G」:2020年2月13日(サウジアラビア)→2020年4月1日(日本)

・「N501Y」:2020年10月27日(インド)→2021年27日(日本)

・「E484K」:2020年12月27日(南アフリカ)→2021年2月7日(日本)




変異ウイルスが従来型と置き換わっているってホント?


変異ウイルスの変異部を見てみましょう。


・「N501Y」のスパイクたんぱく質アミノ酸の変異12箇所

L5F, H69-, V70-, Y144-, N501Y, A570D, N606S, D614G, P681H, T716I, S982A, D1118H


・「E484K」のスパイクたんぱく質アミノ酸の変異4箇所

W152L, E484K, D614G, G769V



お気づきのように、「N501Y」にも「E484K」にも従来型「D614G」の変異が起こっています。つまり、従来型「D614G」と置き換わっていることではなく、「D614G」に「N501Y」または「E484K」の変異が加わり、ある意味2つの武器を持ったことで、より感染力が高まったことを意味しています。



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これからの「変異ウイルス」⁈


2021年4月16日現在、2つの武器を持った「N501Y」や「E484K」が東京でも拡大する見込みですが、4つの武器を持った「K417N」が2020年11月23日、南アフリカで発見されています。入国制限中の日本への上陸は遅れるものと見込まれていましたが、2021年2月9日に関東圏で発見されています。(GISAID


「K417N」は、「N501Y」+「E484K」+「D614G」が同時に加わっているため、人間の抗体攻撃から逃れることができ、再感染しやすい可能性やワクチンが効きにくくなる可能性などが指摘されています。


・「K417N」変異体の変異数11箇所

L18F, D80A, D215G, L241-, L242-, A243-, K417N, E484K, N501Y, D614G, A701V


※「K417N」変異体については、米国バイオテクノロジー企業「Immunity Bio Inc」の研究論文(現在ピアレビュー中)をご参照ください。




そして、現在ヨーロッパで急速にまん延している「N439K」への注意も必要です。


※「N439K」変異体については、スロバキア研究開発庁の研究論文(査読済)をご参照ください。




まとめ


「K417N」や「K439K」などは新たな変異体であるため、現在のワクチン効果が低下する可能性が指摘されていますが、既に新たなワクチン開発も着手されています。(ただし、変異出現ペースにあわせたワクチン開発となると、年に3~4回、ワクチン接種しないといけない可能性が高いものと考えられる。)


第4波、第5波などを避けるためにも、感染を予防するためにも、ゲノム分析のスピードを上げることで、発見・確保・隔離など事前の対策ができるだろう。


新しい変異ウイルスの関連データも盛り込み、2月1日に投稿した「新型コロナウイルス感染者予測」(予測期間2月1日~6月30日の計150日間分)も併せてご覧ください。